8月7日は「バナナの日」。
2020年の「バナナ・果物消費動向調査」(対象者:全国の男女16歳以上 1442人)によるとよく食べる果物は16年連続で「バナナ」だそうです。
「手頃な値段」「健康に良い」「おいしい」が上位3つの理由との事。 入手しやすく、手軽に食べられて、栄養価も高い、 そしておいしいとなれば選ばれて当然です。
個人的には生のバナナよりもバナナチップスや加熱調理等、 加工してあるものが好きです。
バナナの香り
フレーバーのバナナ
さて香料という視点から考えてみると、 バナナ=「イソアミル アセテート」という成分です。
香りはバナナやメロン、有機溶剤臭で接着剤の匂い とも表現されます。 日本酒や芋焼酎にも微量に含まれており、 トップノートのフルーティ感に寄与しています。 20℃~25℃で追熟させると、 イソアミル アセテートを含む揮発成分がより増えるそうです。
戦後間もない、物資があまりない頃には イソアミル アセテート単体をバナナフレーバーとして香料を販売していた時期もあったと大先輩に伺った事があります。
現在ではトロっとした完熟タイプ、グリーン感が強めなタイプ、 バナナと他のフルーツを合わせたタイプ等。
大枠としてはバナナですが、各社が工夫を凝らし個性豊かなバナナフレーバーが生まれています。
フレグランスのバナナ
バナナはフレーバーだけではなく、 もちろんフレグランスでも使用されています。
グルマンノート(食べ物をメインとした香り)の中でも、 フルーツ系の香りとの相性が良くピーチ、 アップル、ペアー(梨)等と組み合わせてトップノートに爽やかさを与え、 鼻馴染みが良い(誰もが一度は嗅いだ事がある)ので 嗜好性が良いとされています。
マスキング性が高く、 基剤臭やエタノール臭を抑える効果があるので、 非常に頼りになる存在です。
ただし、揮発性が高くすぐに香りが抜けてしまうので ミドルノート以降はしっかりと香りを繋げる工夫が 必要となります。
ここだけの話、 バナナの香りはジャスミンとの相性が良いのです。
ジャスミンの香りを創る時に重要な 「ベンジル アセテート」と「イソアミル アセテート」が 共鳴してジャスミンがフルーティになり、 ベンジル アセテート特有のクセが緩和されます。
その比率は1:1なのか、10:1なのか、 具体的な数字は企業秘密なので ノーコメントとします(笑)
バナナチップスを食べながらこのコラムを書いていたら、 いつの間にか1袋開けてしまいました。
今回はこの辺で、御馳走様でした!